ピティナドビュッシー講座報告
6月22日、ピティナピアノ指導者協会が主催する音楽総合力upワークショップ2016 第3回ドビュッシー・音楽と美術というセミナーに行ってきました。
普段はレッスンをする側ですが、こういったセミナーでは久しぶりに生徒という側になります。音楽自体のスキルアップ、教える技術、引き出しを増やす勉強をすることによって、みなさんにレッスンという形で還元できます。
講師は京橋ブリジストン美術館でドビュッシー展なども主催された新畑泰秀さんという方でした。内容は「ドビュッシー・音楽と美術」。
以前のブログにもドビュッシーについて書かせていただいたことがありますが、私が最も好きな作曲家の一人です。1892〜1918年フランスの近代作曲家で絵画とのつながりが最も深い作曲家ということで、お話をされていました。
絵画の世界にも同時代に「印象派」といわれるモネやルノワールなど今までの伝統的な概念を突き破る革新的な画家たちが登場し、その中で「象徴主義」という、絵に物語性を取り入れた手法の画家達と特に親交があったそうです。ドビュッシーも今までの「長調」や「短調」という音階の概念を突き破ったり、和声法でやってはいけない・・と言われることを平気でやったり、今では当たり前に使われていることの土台を作り、オリジナルの語法をしっかりと貫いた人だと思います。
ドビュッシーというと「月の光」や「夢」などを思い浮かべる方も多いと思いますが、ベートーヴェンの「運命」や「第九」のような華やかさはありませんが、自然に溶け込むようなオリエンタルな雰囲気があります。実際にドビュッシーが活躍した時代にはパリでパリ博が行われていて、日本を初めアジアの国々の文化に触れ、作曲にも影響されたそうです。
交響詩「海」という作品は葛飾北斎の浮世絵を見て作曲された作品です。この曲を音大時代に初めて聴いて、まだまだオーケストラの楽器のことは未熟でよくわからなかったのですが、繊細にいろんな色の絵の具を少しずつ混ぜたて1ミリずつ音色を変えていったような、そんな感想を持った覚えがあります。
偉大な作曲家というのは確たる色があります。例えば全く知らない曲を聴いても「これドビュッシー?」とわかるのです。私も細々ながら作曲をさせていただきますが、とても私の場合そうはいきません。今回の講座でドビュッシーの魅力をまた新たに発見でき、みなさんにも古典の魅力、ドビュッシーの魅力、それぞれにお伝えできたらと思います。
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